研究概要 |
「ものづくり」の事例を用いた導入授業の改良と実践 「ものづくり」事例として仮想ゲームによる導入教育を実践した。このゲームでは,事前に学生が3次元ベクトルを用いて特徴付けを行ったアバター同士を対戦させ,競技ベクトルと各アバターベクトルとの内積の大小により勝者を決める。対戦ゲームの展開は、教室内のプロジェクタに投影して,クラスの全員が観戦した。これまでに試した他のものづくり事例よりも学生の反応がよく、電気、情報系学生への紹介事例として適切との実感を得ている。 これに引き続き、空間図形とベクトル方程式との関係を視覚的に体験する授業実践を行った。従来型の授業でベクトル方程式の導出課程を解説する前に,上記導入教育と、実体モデル(棒と平板)を用いた操作体験、および、コンピュータの仮想空間中に置ける空間図形の観察、操作体験を行わせ、空間図形の視覚的イメージを持たせた。その結果、学生が空間ベクトルを身近な概念として学習を進めているとの感触を得ている。 しかしながら、これらの活動が、学習動機付けと学習のための原体験に止まっているのか、それとも、図形と数式の視覚的関係把握により理解の深化に直接寄与しているのかは、分かっておらず、これらを切り分けて効果のしくみを明らかにすることは、今後の課題と考える。 学習到達度試験で測定した変化の分析 平成23年度の学習到達度試験問題は、空間図形(直線、平面)のベクトル方程式に関連する問題の比率が少なく、その正答率からモデル化授業の効果を確認することは難しかった。平成24年度以降も同試験結果の分析を続け、より長期的視点で効果を確認していきたい。 Webシステム上の学習コンテンツの英文化 平成22年度までに構築した、学生が3次元空間図形とベクトル方程式とを関連付けて学習する演習システムの説明文を英文化し、公開したところ(http://pear.ee.toyota-ct.ac.jp/asano-soft/english/)、国外から、のべ3件の問合せがあった.
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