研究代表者は、高等専門学校や高等学校の物理系科目をより魅力的にするための方策として、宇宙・天文についての教育とJavaやFlash等を用いた計算機シミュレーションによる物理現象の視覚化に注目している。まず、本計画の主目的である「津山インターネット天文台」については、底面2m×3m、高さ1.7mの電動スライディングルーフ観測室に口径35cmシュミットカセグレン式望遠鏡を入れている。この口径35cm望遠鏡には口径8cmガイドスコープ(屈折望遠鏡)と口径4cm太陽望遠鏡(現有品)を同架し、通常の天文台として予定の構成になっている。平成21年度の科学教育としては、小中学生など約135名を対象として6月1日「口径35cm望遠鏡で土星を見よう」、7月22日「太陽望遠鏡で日食を見よう」、8月3日「手作り望遠鏡で月を見よう」、11月20日「クジラ座のミラと木星を見よう」、1月29日「地球に接近した火星を見よう」について計5回の天体観測会を実施した。インターネット天文台化については、望遠鏡と室内モニタカメラからの映像を切換機能、望遠鏡・冷却CCDカメラ・気象観測装置・制御BOXのシリアル制御機能について制御PC上で調整中である。また、取り込んだビデオ画像をストリーミングし、WWWブラウザからアクセスするクライアントとのユーザインタフェイスを担うWWWサーバも準備している。また、もう一つの柱である計算機シミュレーションによる物理現象の視覚化について、最新の科学成果を背景とする計算機シミュレーションの手法の調査・研究を進めている。
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