研究概要 |
今年度は, 低消費電力型クラスタPCの試作と, その試作クラスタPC上で用いる画像処理ライブラリの開発に主眼を置いて, 以下の通り研究を進めた. 1. ARM CPUを計算ノードとした小型低消費電力型クラスタPCの構築 計算ノードとして小型CPUボードのArmadillo(Atmark Techno社製)を4台準備し,それらを100Base-TX接続してネットワーク分散型並列処理力河能な小型クラスタPCを構築した.クラスタPCのOSには組み込み機器に広く利用されているLinuxを採用した. なお, ARM CPUそのものは比較的非力であり, このクラスタPC上で直接開発を行うことは非効率的なので, 別途, Quad-Core CPUを搭載した高性能サーバを準備し, そちらにクロス開発環境も構築した. 2. 並列処理プログラム開発のためのライブラリ開発と各種画像処理機能の並列実装 教材開発の下準備として, クラスタPCのUSBポートに接続された画像入力デバイスから任意の時点で静止画像を取り込むためライブラリ,及び画像データをVGA出力するためのライブラリを開発した. また, これに並行して, 複数の計算ノードを使って画像のノイズ除去やエッジ抽出を行う基本画像処理ライブラリも作成した. 今後は, これらをべースとして, WEBカメラ等で撮影している映像をリアルタイムで並列画像処理し, その結果をディスプレイに表示する, といった内容の並列処理教育用教材の開発に取り組む計画である. なお, 今年度出来なかったライブラリの性能評価も, 次年度以降に行う計画である.
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