研究概要 |
21年度においては,国内の木材教育の現状調査として,現在推進されている木育,とくに幼児段階に向けた活動について調査を行い,NPOや市民団体等が進める教育目標,目的,教育内容や実践内容の特徴について検討を行った。また,前年度作成した4段階の学習内容標準案にしたがって,幼稚園1校,小学校2校における木材利用に関する教育活動の試行実践を行い,その効果の一端について,教員や保護者からの意見聴取および生徒の観察からその効果の一端について検討を行った。また,全国の教員養成大学,学部における木材利用に関する教育内容についての調査をあわせて行った。 実践の一方で,林野庁が発表した森林・林業基本計画や林業再生プランなど,政府刊行物についての分析を進め,木材利用と環境との関わりに関する情報を収集し,学習内容案への反映,活用について検討を進めた。また新しく発表された各教科の学習指導要領に示された森林,木材利用に関する学習内容の抽出を行い,学習内容の配列の現状を検討した。これらの成果をもとに,木質の利用に向けた学習内容標準案の改善を行った。 なお,林野庁の補助事業として進められた木育推進体制整備総合委員会に参加し,木材利用に関する教育の人材養成,教材作成等を行い,「木育インストラクター・テキスト」,「木育絵本」等の発行に携わった。また,これらの活動に際して,インタビュー調査,アンケート調査を行い,木材利用に関する教育のニーズについて基礎資料を収集した。
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