研究概要 |
昨年度に設計・試作した「機械学習キット」を中学校の1クラスの授業に必要なセット数を揃えて,それらを用いて中学校技術科の授業において授業実践を行った。その結果,本キットの改善すべき課題を明らかにすると共に,授業における活用方法を検討した。 「機械学習キット」の試験的量産 本キットを活用した授業を西条市立西条西中学校の協力を得て実施することになった。中学校側との打合せの結果,授業を4人一組10班体制で実施することとし,教員用の1セットを含めて11セットのキットを製作した。基盤の素材は厚さが比較的均一であるシナベニヤ,その他のおもな部品はデルリンを用いて,3次元造形装置による切削加工で製作した。また,歯車については市販品を使った。 「機械学習キット」を用いた授業実践 西条西中学校において,「機械学習キット」を用いた授業実践を行った。その際には,教師が種々の組立図を描き各班(生徒たち)に配布し,生徒たちが組立図に従って製作を行った。その結果,1時間の授業内で全ての班が機構の組み立てに成功し,短時間での機構学習に効果があることが確認できた。 各部品の量産方法の検討 「機械学習キット」に含まれる部品の多くはアクリルやデルリンなどのプラスチックを切削加工して試作されているが,より少ない工程で製作できるよう設計変更を行った。新しい設計による部品製作を22年度に実施する。 切削加工に予想以上に時間がかかったために樹脂成型の試行ができなかった。
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