本年度は、学習効率の測定のための環境を整えるために、Beam Masterと名付けた動的な力学テストのためのシミュレータと、アクセス結果を収集するためのWebアプリケーションを開発した。さらに、次年以降同様の深い理解を必要とする分野のための教材の構成を検討した。 1.Beam Masterの基本システムおよびクラスライブラリは、2007年度までに、代表者が、MIT Jerome Connor教授と共同開発したもので、MITおよび青山学院大学大学院理工学研究科内の授業内で試用し、適用性を検証済みである。本年度の計画は、これを、力学の理解度の計測のための標準ツールとして利用環境を整えた。具体的には、一般の不特定ユーザが本システムを利用して、学習および小テストを受験し、プロセスをくりかえすことによって知識向上の数値データに現れる傾向を保存するために、以下のシステム化を図った。 1)不特定ユーザのユーザ登録:再受講や、学習到達度の自己採点のために、ユーザ自身のログインアカウントを発行し、最小限のユーザ付加情報を提供することのできるようにシステム化した。例えば、機械設計のエンジニアで、30代であるなどを付加情報とした。 2)システムの国際化:英語版と日本語版を作成し、国内外の学生・エンジニアのためのアクセス環境を整えた。 3)教材サーバの整備:筑波技術大学(分担者岡田教授勤務)における利用環境を整えるために、教材サーバを整備した。 2.次年度の計画である、はりの力学モデル以外の、深い理解を必要とするモデルの開発計画を立案した。可視化と対話を重視し、ネットワーク透過型の教材であることを条件に、Beam Masterのための基本ライブラリ「Engineer」を利用することとした。
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