工学全般に応用可能なクラスライブラリの開発により、機械・構造設計に必要な深い知識獲得のためのハンドブックの作成と、知識フィードバックのための確認用クイズシステムを開発することを目的として、システム開発を行った。さらに、開発したシステムを利用して、青山学院大学理工学部学生を被験者としてクイズによる学習効果を調査した。 実施したクイズの内容は、開発したライブラリを利用して、主に初等的な構造力学におけるはりの曲げに関する定性および定量的な判定を含むものであり、対話的なGUI操作により、ヒントを与えた。統計的な結果として、設問の解答時間と正解率の相関や、難易度との関係を知ることができた。これを基にして、微分方程式系を構成方程式とする設計関連の推論や予測の能力に関する比較的若年のエンジニアの傾向を捉える事ができた。これは、2007年度に海外の大学における調査結果と合わせて、今後考察する予定である。 分担者(岡田教授)は、LMSサイトを構築し、これらの情報を基に、サイト内に設計関連の教材コンテンツを構築し、利用を開始した。青山学院大学におけるLMSの利用知見を基盤として、分担者所属大学の特性を生かしたコンテンツとして利用を拡大する計画である。 今後、青山学院大学理工学部および分担者の所属する筑波技術大学において、本研究の成果を基にして、理工学教育の基礎となる、自習可能な教材の開発を、熱工学などに拡大し、その効果を統計的に評価する予定である。
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