昨年に引き続き多目的バーチャルスライドシステム(オリンパスVS-100)を中心に画像教育の学習効果を上げるため以下のことを行った。 1.昨年度は一部の実習にのみ用いていたバーチャルスライドを本年度はすべての実習標本をバーチャルスライド化し、実習に供した。また実習室のみならず講義室や他のセミナー室においてもそれらの提示が出来るようにパーソナルコンピュータを整えた。バーチャルスライドは容量が大きいためファイルの管理にはハードディスクあるいはブルーレイディスクを用いた。 2.顕微鏡を使った組織標本の観察実習において、市販の沈胴式コンパクトデジタルカメラと傷防止ゴムキャップを用い、接眼レンズに合わせて簡易に顕微鏡写真を撮影する方法を考案した。 3.既成のWeb上でのアルバムの供覧を通して携帯電話を情報端末にして形態画像を学ぶ有効性を検討した 4.実習を含めた毎授業においてパーソナルコンピューターあるいは携帯電話を用いた授業評価を行い、授業の理解度や授業に対する意見を集約し授業の改善を行った。この中で、バーチャルスライドを今後より一層活用することが求められていること、また授業の中に取り入れた30分の臨床講義が解剖学の学習意欲の向上に役立つことと関連して画像というキーワードが重要であることがテキストマイニング分析から分かった。 5.現在の使用しているバーチャルシステムはフォーカス面が単一であり焦点操作ができないが、今後予定されているオリンパスVS-100のバージョンアップでは焦点操作が可能となる。ただ複数の焦点面(5~10程度)を持つ画像ファイルは立体的な観察が可能な半面、容量も大きくなり取り扱いが難しくなる。それに伴うバーチャルスライドシステムの操作性や機能の変化について、画像教育への応用について検討した。
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