研究課題
前年度に引き続き高等専門学校における数学教育内容の標準的スタンダードの研究を行い、基礎数学、微分積分学、線形代数学における教授項目、学習の狙い、到達目標について明らかにした。1. その研究結果を反映させたドリル:「線形代数」、「微分積分」を編集し出版した。これらの演習書には学生が学習結果を自己評価できるための工夫等が盛り込まれ、その後のアンケート調査から高い評価を得ていることが分かった。2. 工学専門基礎としての数学は学習基本項目が多く、自宅学習は必須である。その学習環境作りのため、学習意欲を高める教材の開発として、工学専門書、諸外国における授業事例の研究等の他、既発表の数学教育関連の論文研究を行った。これらの研究結果は学会で発表され、また数学教師向けの書籍「数学教育研究ハンドブック」を分担執筆する中で表した。3. 数学教育スタンダードを具現化させたテキストの発行が必要と考え、研究結果を踏まえて「基礎数学」、「微分積分」、「線形代数」、「応用数学」のテキストの編集を行っている。これらは4月以降に順次出版される予定である。また、「全高専3年次学習度到達度試験」の試験範囲とレベルについて調査を行い、その調査結果もこれらのテキストの中に反映される。4. 立体幾何学の研究を行い論文として発表した。初等幾何学のこれらの研究結果から、学生の論理力・直観力を涵養するよい教材が発掘できることを例をあげて学会で発表した。
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数理科学論文集
巻: Vol.12, No.1 ページ: 33-37
日本数学教育学会高専・大学部会論文誌
巻: 第17号 ページ: 1-10