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2009 年度 実績報告書

学習と動機づけを促進する教授方略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20500802
研究機関三重大学

研究代表者

中西 良文  三重大学, 教育学部, 准教授 (70351228)

研究分担者 高垣 マユミ  鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (50350567)
田爪 宏二  鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (20310865)
キーワード方略 / 期待概念 / 興味 / 認知的ズレ / 認知的葛藤 / 概念変化 / 小学校英語 / CAMI
研究概要

本年度は,学習と動機づけを促進する教授方略の開発の試行的研究を行った。まず,動機づけに関する基礎的研究として,昨年度は動機づけと学習方略との関係を検討したが,本年度は学習方略が動機づけに及ぼす影響について,さらなる検討を行うため,動機づけの期待概念に注目し,E.A.SkinnerのCAMIに「方略」の手段を加えた検討を行った。その結果,これまでは手段の1つとして扱われていた「努力」がこれに対応すると考えられるものであったが,「努力」の手段と「方略」の手段は,それぞれを構成する項目が因子分析において異なった因子への高い負荷を示し,外在変数に対しても異なった関連パターンを示すことが示された。特に,方略保有感が学習改善に及ぼす望ましい影響が見いだされたため,こういった「方略」の手段に関する信念に働きかけることが重要であると考えられた。
また,今年度は,実際に動機づけと学習を促進する方略の開発を目指して実践的研究が行われた。具体的には,小学生を対象として,英語の否定疑問文の回答に対する概念変化を目指しながら,英語に対する動機づけの改善を目指した実践が行われた。そこでは,動機づけの中でも特に興味に注目し,それを高めるために重要であると考えられている「認知的なズレ」をうみだすため,概念変化をもたらすことに用いられる「認知的葛藤を引き起こす」という方法を活用した。その結果,活動前後で,興味の上昇が見られた。ただし,英語に対する概念変化については,活動後に望ましい概念を獲得していると考えられる児童の数が増えたものの,有意な変化はみられなかった。そのため,次年度に向けては,これら両者が変容する働きかけを行う必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (7件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 英語否定疑問文への回答における概念変化と動機づけの促進-"暖かい概念変化"をもたらす教授方略-2010

    • 著者名/発表者名
      中西良文・村井一彦・梅本貴豊・古結亜希
    • 雑誌名

      三重大学教育学部紀要 61

      ページ: 299-303

  • [雑誌論文] 高等教育におけるクリティカル・シンキング-初年次教育・法学・看護学における実践比較-2010

    • 著者名/発表者名
      武田明典・村瀬公胤・中西良文・石岡克俊・山口美和
    • 雑誌名

      神田外語大学紀要 22

      ページ: 362-383

  • [雑誌論文] 学生の学びを促す教授要因の効果および教授要因と学生の自己評価との関連2009

    • 著者名/発表者名
      田爪宏二・高垣マユミ
    • 雑誌名

      日本教科教育学会誌 32

      ページ: 31-40

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 相互教授を導入した授業における相互作用の効果-「消化と吸収」の学習を事例に-2009

    • 著者名/発表者名
      清水誠・安田修一・高垣マユミ
    • 雑誌名

      理科教育学研究 50

      ページ: 81-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Case Study of Rika Class Reflections by Video Analyses Through Fieldwork Activities2009

    • 著者名/発表者名
      Sakata, S., Takagaki, M., Matuura, S., Mori, k., Shimizu, M.
    • 雑誌名

      Journal of Saitama University. Faculty of Education 58

      ページ: 9-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 理科授業における動機づけ機能を組み込んだ教授方略の効果-小学理科「水溶液の性質」の事例を通して-2009

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ・田爪宏二・中西良文・波巌・佐々木昭弘
    • 雑誌名

      教育心理学研究 57

      ページ: 223-236

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 教師の意図していない教授・学習過程ではいかなる心理的やりとりが行われているか-主体的側面に焦点を当てた二面性開示分析を用いて-2009

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ・田爪宏二・中島朋紀・丸野俊一
    • 雑誌名

      教授学習心理学研究 52

      ページ: 11-22

    • 査読あり
  • [学会発表] コンフリクトマップに多義的な文脈を導入した教授方略の効果-高校数学「確率」の事例的検討-2010

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ・田爪宏二
    • 学会等名
      日本教科教育学会第35回全国大会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2010-10-10
  • [学会発表] 動機づけ変化を伴う概念変化の試み・英語の否定疑問文を題材として-2009

    • 著者名/発表者名
      中西良文・村井一彦・梅本貴豊・古結亜希
    • 学会等名
      日本教育心理学会第51回総会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2009-09-22
  • [学会発表] コンフリクトマップを用いた教授方略の効果とそのプロセス-波動の概念学習の事例的検討-2009

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ
    • 学会等名
      日本教育心理学会第51回総会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2009-09-21
  • [学会発表] 大学生におけるCAMIを用いた期待信念の検討2009

    • 著者名/発表者名
      梅本貴豊・中西良文
    • 学会等名
      日本教育心理学会第51回総会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2009-09-21
  • [学会発表] 教科横断的な視点を導入した教授方略の効果2009

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ・田爪宏二・三島一洋
    • 学会等名
      日本認知科学会第26回大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2009-09-10
  • [学会発表] 理科学習の評価と授業改善についての実践的研究-科学のプロセススキルを用いて-2009

    • 著者名/発表者名
      池田仁人・高垣マユミ・坂田尚子
    • 学会等名
      日本科学教育学会第33回年会
    • 発表場所
      同志社女子大学
    • 年月日
      2009-08-26
  • [学会発表] 支援ニーズから組み立てる学習支援研究2009

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ, 他
    • 学会等名
      日本心理学会第73回大会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-08-26
  • [図書] 認知的/社会的文脈を統合した学習環境のデザイン2009

    • 著者名/発表者名
      高垣マユミ(編著)
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      風間書房
  • [図書] 児童心理学の進歩2009

    • 著者名/発表者名
      日本児童研究所(編)
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      金子書房
  • [図書] 授業研究法入門2009

    • 著者名/発表者名
      河野義章(編著)
    • 総ページ数
      245
    • 出版者
      図書文化
  • [図書] 子どもの論理を活かす授業づくり-デザイン実験の教育実践心理学-2009

    • 著者名/発表者名
      吉田甫・Erik De Corte(編著)
    • 総ページ数
      201
    • 出版者
      北大路書房

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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