研究概要 |
分娩経過を把握する手技の1つである「内診」を学ぶための触覚と視覚の双方を用いた演習教材を開発することが目的である。子宮頚部と膣を触診できる人体モデルとその3次元画像を作成し、学習者の内診指の位置を3次元画像上にリアルタイムで表示して学習者へのフィードバックを可能にするシステムを構築し、現時点での課題と今後の方向性を定めた。 1.正常な分娩経過の人体モデルと画像作成 正常な分娩経過における子宮膣部(子宮口が3cm,5cm,9cm開大の3種類)を触診できる人体モデルとそれに対応した3次元画像を作成した。 2.内診指の位置を3次元画像上にリアルタイムで表示できるシステムの考案 磁気センサー2本を内診に用いる示指と中指にそれぞれ装着し、2指の位置データから3次元画像上に内診指を表示できるシステムを考案した。人体モデルの触診位置と3次元画像上に表示される位置のズレを調整する機能、センサー装着の違和感をより少なくできるセンサーの検討が今後の課題である。 3.異常徴候を示す人体モデルの作成と評価 分娩経過中に生じる異常徴候として、回旋異常や胎位異常を示す4つの状況を設定し、人体モデルを作成した。作成したモデルが実態に近似したものとなるように、5人の臨床助産師の評価を受け修正すべき点が明らかとなった。モデルの修正とその3次元画像の作成、異常モデルを用いて内診した際に内診指が正しく表示されるよう調整することが課題である。
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