分娩経過を把握する手技である「内診」を確実に教授できるようにするために、子宮頸部と膣を触診できる人体モデルとその3次元画像を連動させ、学習者の内診指が触れている部分をリアルタイムで3次元画像上に表示することにより学習者へのフィー・ドバックを可能にし、触覚と視覚の双方から内診手技を効果的に学習できる教材の開発を目的に研究を実施した。 平成20年度に作成した子宮頚部と膣を触診できる人体モデルの3次元画像に加えて、内診で確認できる分娩時の異常モデルを作成し、内診指の位置把握のためのシステムを改善した。 1. 内診指の位置を3次元画像上にリアルタイムで表示できるシステムの改善 磁気センサー装着の違和感をより少なくするため、センサーを5mm角のものから、2mm角のものに変更した。センサーを小さくしたことにより、内診指への固定に不具合を生じたため、シリコン製指サックを成型し、センサー装着方法を改善した。また、新たなセンサーに対応した、内診指の位置把握と画像への表示システムを構築した。 2. 異常徴候を示す人体モデルの作成 昨年度作成した4つのモデルに修正を加え、さらにモデルを1種類追加し、5種類((1)辺縁前置胎盤、(2)骨盤位、(3)足位、(4)顔位、(5)後方後頭位)の人体モデルを作成した。 今後は、異常徴候を示す人体モデル5種の3次元画像を作成し、人体モデルと3次元画像を連動させた教材として助産学生への教育評価を行うことが課題である。
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