研究概要 |
我々はケアマネジメントを担う人材育成のためのコンピュータを利用した教育支援システムの開発の一環として,ケアプラン策定過程におけるノウハウ情報共有システムを開発した.熟達者が策定したケアプランを様々な形態で視覚化して,初心者に見せることで,その違いを気づかせることを考えた.この気づきの中にノウハウ情報が含まれると考えている.具体的には,熟達者がアセスメントの結果を読取った文書間の類似度を2次元に配置して視覚化した.また,観点の変更を行うごとに,類似度を計算し,その結果を2次元に配置した.さらに,気づきを促進させるために,初心者の読取り文書や一人のケア対象者を複数の人がアセスメントし,読取った文書を手本事例と同じ2次元に配置して比較検討することを可能にした.本年度はケアプランの事例データをクラスター分析し,パターンの抽出を行い,その結果を利用した支援機能を装備し,その結果を国際会議にて発表した.また,ノウハウ情報共有の実現と共有の教育的な効果について関連する学会の大会や研究にて発表した.オーストリアのIN-TECH社から出版された「Advanced Learning」の27章に「Educational Effect of Externalization of Know-how Information for Care Planning Processes」と題して,これまでの研究成果が掲載された.この本は電子ブックとして,Web上に公開され無料で閲覧,コピーができるようになっている.
|