研究概要 |
本研究の基礎的な部分やプロトタイプの作成を中心に研究を行った。具体的な内容は以下のとおりである. 1.触知覚メカニズムの解明 既発表の「弾性の触運動知覚モデル」の研究手法を継続して、力覚提示装置に人工的に作られた感覚に遅延や揺らぎを与え、その違和感を心理物理学的に分析する手法を用いて研究を行った。新たに粘性に関する実験を行い、弾性ですでに得ている知見と統合して、触知覚のモデルを提案した。 2.力覚を伴うVRシステムの教育への応用 高等学校の物理学の教育を目的に,AR(拡張現実感)のマーカー認識により仮想の物理実験環境を構築し,その世界において,実際の世界と同様に物体に力を加えたり,運動中の物体に触って運動の力を感じたりすることのできるシステムを構築した. 3.触覚オーサリングシステムと再生システムの開発 さまざまな画像から,触覚ディスプレイ(OUV3000とDV-2)のピンによる凹凸表現への変換ツールを作成した.力覚ディスプレイPHANTOMによる形状表現と触覚ディスプレイによる表面の再現とを組み合わせた触覚表現についてシステムを構築中である. 4.視覚障害者用インタフェースの基礎的検討 障害者教育のNPO法人の協力により,障害者用の触覚インタフェースについて検討を行った.その結果Webの構造など視覚情報の触覚による表現に課題を設定し,色情報の触覚による表現について,凹凸パターンと色情報を結びつけることについて,実験システムを構築し,データを収集している.
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