平成21年度は、平成20年度に引き続き、ペア学習組み合わせ指標を確定するために再度ペア学習の実験授業を行い、平成20年度の研究により抽出された「基礎学力」、「パソコン経験」および「性別」の3指標指標の有効性の確認と学習効果との関連性を分析した。 具体的には、情報基礎演習科目の受講者約280名を対象として、4月に基礎学力とパソコン経験に関する調査、6月に文書処理検定試験問題に準拠した実技試験を個人とペアで行った。事後には、ペア学習に関するアンケート調査も実施した。その結果、平成20年度同様にペア学習によって課題達成度が向上することや、特に成績下位者ほど効果が高いという傾向が示された。アンケートにおいてもペア学習に肯定的な意見が90%を超え、その有効性が示唆された。 また、ペア学習効果とペア学習前に行った基礎学力およびパソコン経験調査結果との関わりを分析したところ、基礎学力差が小さく、パソコン経験差が大きいペア、さらに異性ペアにペア学習効果が高いことが明らかとなった。さらに、発話数が多い場合に学習効果が高いことも認められた。すなわち、昨年度抽出された3指標に加えて発話数が学習効果に関与していることが示され、ペア間コミュニケーションを促進することがペア学習効果向上の鍵になることも明らかとなった。これらの研究成果について名古屋外国語大学紀要や教育工学会全国大会で公表された。
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