研究課題
(1)挿図教材の現状とニーズに関するアンケート調査の結果を分析した。昨年度行った、数理科学や物理学、工学の専門科目等における、挿図入り教材の利用実態、およびニーズに関するアンケート調査の結果を集計・分析した。高専分の集計結果の一部は、既に我々のウェブページ上に公開した。その結果、専門科目や微分積分に比べ、線形代数などの科目で挿図の利用が手控えられている実態、およびその原因について、いくつかのポイントが明らかになってきた。また、空間図形の印刷教材への挿図について、かなりの教員が困難を感じている実態がわかってきたので、KETpicを用いた有効な挿図教材の事例を提示した。また、引き続き物理教材への利用の可能性も探った。(2)教科書における挿図の利用実態につき調査し、その結果を分析した。大学初年級で使われている日本語の微分積分・線形代数の教科書を収集してあったが、この中で用いられている挿図の実態について調査した。その結果、やはり線形代数で効果的な図の利用に苦労されていること、微分積分の教科書でも、分野によって図の利用にばらつきがあることが判明した。該当する項目について、KETpicを用いた有効な挿図の事例を提示した。(3)無償の数値計算ソフトであるScilab版KETpicの機能を拡張した。昨年度、無償ソフトScilabへの移植を完成したが、MathematicaやMapleといった数式処理ソフトと異なり、変数の扱いに不自由なところが多かった。描画に関するかぎり、数式処理ソフトと使いやすさが変わらない程度に、変数の柔軟な取り扱いが可能となるような機能をKETpicに装備した。(4)Mapletを用いた、KETpicのWeb applicationの開発に着手した。連携研究者である、名古屋大学の中村泰之准教授の支援のもと、Mapleなどの数式処理ソフトを所持せずともKETpicの描画を利用できるようなWeb applicationの開発が開始された。現在すでに、平面曲線の描画について、ほぼ完成の域に達しており、空間図形の描画ができるように、機能を整備中である。(5)MatlabへのKETpicの移植を進めた。世界的なシェアを誇るMatlabについても、連携研究者であるスペイン・カンタブリア大学、アンドレス・イグレシアス主任教授の支援を得て、移植作業を進めている。(6)(1)(2)等の提示事例や(3)(4)(5)等の機能拡張について、国内外で発表した。
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