研究概要 |
本研究は,eラーニングにおいて重要な学習形態のひとつである自己学習型環境において,機能拡張やカスタマイズに柔軟に適応可能とするeラーニングシステム構成法を確立することを目的とする.この分き野では,学習コンテンツの流通再利用を促進することが不可欠である.一方,学習者に提示するコンテンツを自動的に選択する学習者適応機能は,学習効果向上のために有効な仕組みである.しかし,学習者適応機能を有する学習コンテンツを流通再利用する枠組みは確立されていないのが実情である.このような問題点を解決するため,学習者適応機能の機能拡張性とコンテンツの流通再利用性が両立可能な学習支援システムの構成法を確立するものである.具体的には,様々な教育的機能を実現するプログラム部品である「教材オブジェクト」を構成要素とし,新たな要求仕様を実現する際には,新規の教材オブジェクトを追加して機能拡張が可能な学習支援システムの構成法を研究開発する. 今年度は最新の国際標準規格SCORM2004を対象に以下の研究開発を進めた. 1)従来型の構成に従って定められているSCORM2004規格の動作を解析し,同じ動作を,教材オブジェクトを用いて実現するための基本的な構成を設計した. 2)SCORM2004の基本機能として規定されていない「ヒントを出す」,「間違いを復習する」といった機能が,上記の構成で,実現可能か否かを検討した. 3)上記2点の設計・検討に基づき,SCORM2004と互換性を有し,かつ,機能拡張が容易に可能な教育支援システムの基本部分の開発を行い,実現可能性を示した.
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