研究課題
アジア・太平洋諸国の中等・高等教育の現場に「持続可能性学」の考えを導入し、若い世代の人々にその考え方を広めるための方法を研究した。とりわけ、気候変動に伴う自然災害リスクに対処するアジア太平洋諸国のための「持続可能性学」を創成し、それを普及させる方法について研究した。「持続可能性学」は、近年形成されつつある全く新しい学問である。中等・高等教育の既存のカリキュラムにこの新しい学問を挿入する方法として、e-ラーニングに注目した。それは、e-ラーニングの自由学習的な性格、マルチメディア的表現力が「持続可能性学」の教育に適していると考えた為である。発展途上国の教育現場では、e-ラーニングに強い興味をもっているが、一方で、多くの問題も抱えている。これらについて詳細な分析を実施し、その対応策を示した。「持続可能性学」の考えを、アジア太平洋諸国の若い世代の人々に広めるために、当該研究では、若い世代を教える教師集団に注目し、教師を対象とする講演会を現地(サモア、バングラディシュ、スリランカ、ベトナム、フィージー)の大学・高校で開催した。発展途上国の教育現場で働いている一般的な教育・研究者は、その貧困性からして、新しい学問や技術を吸収することが困難である。例えば、通常の形式で行われる国際研究集会には参加できない。このような「教育・研究弱者」が、「サステナビリティ学 : 持続可能性学」の重要性について理解し、それを教育に組み込む努力を行い得るためには、それを可能にするシステムの開発が必要である。そこで、教育上の問題の共有と相互扶助的解決を目的とする協調的サーバ群システム(KISSEL : Knowledge Integration Servers System for E-Learning)の構築し、サモア、スリランカ、バングラディシュ、日本で運用を開始した。
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Asian Fisheries Science
巻: 25 ページ: 97-112
Canadian Journal on Artificial Intelligence, Machine Learning and Pattern Recognition
巻: Vol.3, No.1 ページ: 14-23
http://info.ibaraki.ac.jp/scripts/websearch/index.htm