研究概要 |
本研究の目的は,小・中学生を対象として,論理的思考力を育成する考え方学習を取り入れたWebベースの情報安全教育学習教材を開発し,学習者用ワークシート,教師用ガイドブックを作成することである。論理的思考力を育成する情報安全学習教材で扱うべき指導項目の中から、次の項目を選定し,Web教材開発を開発した。(1)情報収集においては適切な手続きによる情報の収集,著作権などの尊重,情報の信頼性についての意識。特に情報の信頼性や信憑性を判断するための論理的思考力の育成。(2)情報発信においては,プライバシーの保護,著作権などの尊重,情報発信に伴う責任。(3)コミュニケーションにおいては,ネットワーク上のエチケット,相手への配慮。(3)情報通信ネットワークの利用においては,ガイドラインの尊守,セキュリティへの配慮。(4)制作活動においては,著作権などの尊重。(5)未知の相手からの情報や出所不明の情報に対する対応,コンピュータ犯罪に巻き込まれないための対応(サイバー・セイフティ,ネット社会での情報安全教育)。そして、滋賀県、京都府、大阪府で、小学校12校、中学校10校、高等学校5校で開発したweb教材の授業実践を行った。その結果、考え方学習を取り入れた中学校、高等学校では効果が認められたが、小学校では個人の学習スタイルにより倫理的思考力の育成に交互作用がみられ、メタ認知トレーニングの指導方法改善の必要性が示唆された。研究期間の最終年度である次年度に向けて指導方法を再検討する予定である。
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