研究課題
慶應義塾大学では2005年からOCWを開始し、当初はテキスト中心であった講義情報を映像中心にシフトし、月間利用者が1万人規模であったWebサイトの利用を万人規模に拡大した。しかしながらOCWについては「大学からの一方的な情報公開となっていて利用者からの視点が欠落している」「コンテンツ利用環境が柔軟ではない」などの問題点が多く指摘されていた。講義情報を映像中心としていることから次世代OCWの基本的な構想としてこれらの問題点の解決策を映像配信環境で解決することが望ましいと考えた。特に利用者からの積極的な情報発信については利用者からの視点に立った学習者間での情報共有が可能な仕組み(fusen)を利用することとした。また、この環境にあわせてPCのみならず、モバイル端末での統合的な利用を可能とすることを想定した。fusenとは、音声や動画などのタイムラインを持つコンテンツに対して、タイムライン上の任意の点にメモを残すことが出来るアノテーションツールである。作成されたfusenは、fusenが打ち込まれたコンテンツページに一覧出来る状態で表示される。fusenはメモの情報と共に、コンテンツのタイムライン情報を持っており、fusenをクリックすることで、fusenの箇所からコンテンツの再生が始まる。視聴中のコンテンツに既にアノテーションが入力されている場合、そのアノテーションを入力したユーザー以外も、アノテーションを閲覧することが出来る。また閲覧したアノテーションをクリックすることで、アノテーションが入力された箇所からコンテンツを再生することが出来る。今年度は既に配信していた講義に加え、新規の講義も4科目追加してアノテーション付与可能なWebサイトを立ち上げ、利用者への提供を開始した。
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信学技報Vol. 23, No. 5, 36-39 Vol. 23, No. 5
ページ: 36-39
http://ocw.keio.ac.jp/