研究概要 |
本年度は,学習者が複数行にまたがる解答を記述する必要性の高い線形代数に関わる問題に,本システムが対応できるように変更を行った.題材として連立1次方程式や行列の問題に対して,3段階の設問に答える形で解答が導けるようにした.解答欄を複数行にし,それぞれの行で1点判定法によるアダプティブ知的チュータ支援が行えるようにした,この中で特に時間を割いたのが,行列を記述する方法の簡素化である,スペースキーと円マークを用いるだけの単純な記述で行列を表現することで,学習者は内容に集中できるような方法を開発し,その結果をサンフランシスコで開催されたIAENGの国際会議で発表した.内容が評価され,本として印刷されることになった. また,学生の間違った解答について,その解答の形から学生の理解度を推測し,適切と思われるヒントを提示するシステムに改良したアダプティブ知的チュータシステムについて,教育システム情報学会にて発表した. さらに,1昨年度から私たちのシステムが大学のPCで利用できるようになったので,前期に20名の学生を被験者として本システムを利用してもらい,アダプティブ知的チュータシステムの運用試験を10回行い,学習者の実際の理解度と2点での評価値による学習者の入力から推測される理解度との差のデータを収集した.さらに,個々の被験者についての正解率や,正解までの間違いの回数や入力した間違いの解答のデータも収集した.
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