近年、コンピュータの普及によりテストの分野でも、コンピュータ適応型テストが実用化されている。コンピュータ適応型テストは、コンピュータを用いて受験者の反応に応じて、問題を選択して出題するようなテストである。 平成24年度は、23年度までに洗い出した機能要件に基づいて、引き続きコンピュータ適応型テストシステムの開発、改良を行った。また、これまで開発を行って来たシステムを、近年、急速に普及したタブレット端末からも利用出来るようにした。 タブレット端末は、そのユーザインターフェースに特徴がある。テストという観点では、数学の図を用いた問題や計算問題などを解く際に、タッチペンによる書き込みが出来る点であり、その解答時間も記録できる。タブレット端末特有のユーザインターフェースが、テストに与える影響を検討するために、研究室所属の学生が実験を行った。その実験では、書き込み機能の有無と解答時間の関係を調べた。この実験は、初期の簡単なものであり、今後も継続して実験などを行い、考察を深めていく必要がある。 そして、今回、開発を行ったシステムは、テストという測定のための道具としての完成度だけではなく、テストを行う側が容易に利用可能であることも重要である。この実験と並行して、テストを実施する側がテスト問題などを用意するだけで、タブレット端末を用いたコンピュータ適応型テストを行えるシステムの開発も行った。 なお、平成24年度が最終年度となるので、その研究成果を日本テスト学会誌に投稿し、現在、印刷中である。
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