「既存資料よりのオントロジー構築」と「オントロジーの定量化」を並行して研究を進めてきた。前者に関しては、用いている日本語解析ソフトの単語を解析対象分野に合わせるために用語辞典約30サイトから用語を収集して強化したのち、再度解析を行った。オントロジー構築には用語間の関連が重要であるが、コンピュータ処理では、科目に用いられる用語間の関連を取り出すのが難しかった。そこで、解析方法をオントロジーを用いる方法からもっと単純なTF-IDF法に移して解析した。その結果、同一教員が担当する科目同士、技術系科目間の関連度が強いことが示された。表現系科目は資料数が十分でなく写真や図が多くて用語中心の解析には不向きでることが分かった。 オントロジー同士の類似度の手法に関する研究では、教材に発展させることを目的に性質の分かっているプログラムに適用してきたが、オントロジーグラフをグラフによって検索する手法に関して大きな進展があった。また、パワーポイントだけでなくさまざまな資料からの情報抽出、日本語解析、その結果のRDF化、さらにオントロジーのデータベース管理や検索のためのセマンティックWEBサーバの開発など、今後に役立つ研究環境が完成した。ここ1~2年大学の方針が教材から演習へと移行している中で、教材資料を対象とした本研究は推進に大変な苦労を強いられ、テーマの重心を解析手法やシステムに移さざるを得なかった。
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