研究概要 |
平成22年度は,平成17年度から本学主体で開講している「座の文芸と美術」で実施してきた俳句や連句の歴史や文学的な位置づけも踏まえ、俳句や連句の調査分析を継続して行った。その成果として、7月31日、8月1日には、「連句の会」を開催し、50名ほどの受講者があった。また、昨年度発刊した書籍『おくのほそ道-芭蕉が歩いた北陸』に基づき、携帯情報端末を用いた俳句関係のシステム環境構築に挑戦した。これは、芭蕉が実際訪れ俳句を詠んだ兼六公園に焦点をあて、最新の携帯端末を利用して、本学から現地まで赴きセカイカメラやランドマークシステムなどを用いて、次年度への橋渡しとなるような研究を行った。平成20年度から継続して創作しているアニメーション関係では、平成22年度は,3DCGアニメーションを作成し,具象絵画的な表現はもとより、抽象絵画的なアニメーションまで手掛けた。それにより、より一層句と絵画のコラボレーションによる面白さを発見出き、ダイナミックな表現方法を実現できたと思う。今後は、この3Dアニメーションを携帯においても実現してみたい。 また,これらの研究・制作の発表・投稿に関しては,コンテスト等も含め論文の投稿・発表の機会を得た。本研究の平成22年度分では、6月には、シンガポールでのNicograph 2011 Internationalで、抽象絵画の3DCGアニメーションを発表し、7月のJsise第2回研究会でも関連研究を発表した。海外での発表を平成23年1月初めにジャカルタで開催されたIwait2001のポスターセッションで発表した。また、1月末にJsise第5回研究会では、今後、飛躍的な発展が期待できる携帯情報端末でのインフラ構築に関して発表した。 今後、携帯情報端末を活用した俳句・連句のインフラの整備に関しては、スマートフォンの時代を迎えており、提供されるより利便性の高い環境と独自で開発するツールの環境構築を目指したい。
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