1 e-learningシステムの基盤整備 本申請者研究機関のサーバーに設置されたe-learningシステムを活用し、少人数でのトライアルを行った。登録した学生はIDおよびパスワードが割り当てられ、看護教育用の医療マナーのe-learningを受講した。学習者の満足度を測定した結果、内容の一部を薬剤師向けに補正する必要があることが示唆された。 2 PBL型演習へのe-learning導入と映像学習素材の作成 本研究におけるPBL型演習は代表的な疾患の処方例を解析し、処方意図を「読み・解く」ための演習を行う。この工程は、(1)模擬処方の提供(学習課題)、(2)仮説(主薬や疾病)の設定、(3)グループ内コンセンサスの取得、(4)疑問点の抽出、(5)学習課題の決定、(6)情報収集および(7)グループ討論(SGD)を繰り返し行う(図2)。工程(4)および工程(5)のブレーン・ストーミングで得られた疑問点は、KJ法によって整理されて学習課題が決定される。学習者の学習媒体としてバイタルサインによって薬学的問題点を提供できる医療用シミュレータを導入した。現在、シミュレータ用のプログラムならびに医療シナリオを作成中である。 3 満足度の分析・評価に関する検討 学習者のPBL型演習に対する満足度の測定方法としてCS分析を導入した。また、技能および態度の学習効果の保持について、事前学習の学習項目をOSCEによって評価した。その結果、e-learningによって事前実習の補完をする必要性が高いことが明らかとなった。
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