研究概要 |
本研究の目的は,講義と連動したデモンストレーション実験を教室で遠隔実験の体験だけでなく,講義終了後の学習時間において,繰り返し本物の実験を体験し,また学習者が疑問を主体的に実験による解決を可能とするため,評価サンプルの選択,測定系の選択および測定条件の選択を可能とするリアル実験体験型eラーニングシステムを開発することである.平成20年度は,評価サンプルの選択機能と実験装置の選択機能をネットワーク実験室に付加するプラットフォーム開発を行った.機能実現のキー装置として,Agilent社製のデータ収集スイッチユニット(349780A)と20チャネルアクチュエータ(34903A)を用いることでDC〜低周波信号に対する測定回路の切り替え及び評価サンプルの選択を遠隔で可能とした.具体的にはダイオード特性実験の順方向測定回路と逆方向耐圧試験回路の選択機能,および評価デバイスの選択機能のプラットフォーム設計を完了した.従来のネットワーク実験室の仕様では,一つの実験に一つのネットワーク実験室を準備する必要があった.この研究で,一つのネットワーク実験室に複数の実験テーマを割り当てることを可能とすることができた.また高周波信号回路実験への対応については,デュアル4チャネルRFマルチプレスサ(34950A)を用いた動作確認試験で機能拡張の可能性を確認した.またこれまでの遠隔ネットワーク実験室は,半導体素子のIV特性とその発光現象を主とした実験のためのものであった.そこで新たなネットワーク実験室の応用例として,暗室と安全性を必要とする高電圧実験として放電管の発光現象についてeラーニングコンテンツ化を行った。
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