研究概要 |
(1)インド伝統医学文献および写本資料の収集と調査研究 デンマーク・コペンハーゲン大学のKennethG. Zysk准教授の協力を得て、インド伝統医学文献『チャラカ・サンヒター』の注釈書の写本資料に基づいた研究を進めた。研究成果の一部をInternational Workshop on Classical Indian Medicineにおいて発表した。 (2)インド伝統医学理論の発達史に関する研究 インド伝統医学書『アシュターンガ・プリダヤ・サンヒター』および『アシュターンガ・サングラハ』等の医学理論に関する章を中心として読解を進めた。また、山中行雄氏(佛教大学総合研究所非常勤嘱託研究員)の協力を得て、仏教文献に見られる医学的記述を読解し、インド伝統医学書に見られる同様の記述との比較によって、インド医学理論とその文化的背景について研究を進めた。成果の一部を『日本医史学雑誌』に発表した。 (3)インド伝統医学における臨床治療の実態に関する資料収集および調査研究 インド共和国・ケーララ州トリヴァンドラム、トリッシュールおよびカリカットを中心とした地域における現地調査を行い、インド伝統医学の臨床治療の実態に関する資料収集、および同地の伝統医の活動について調査し、聞き取り調査を行った。調査実施に際して、Calicut University (P, Nair教授)、P. Ram Manohar氏(AVP高等研究所リサーチ・ディレクター)、Madhu K.P.氏(インド伝統医学医師)の協力を得た。成果の一部をElectronic Journal of Indian Medicineに発表した。
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