| 研究課題/領域番号 |
20500879
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| 研究機関 | 大阪産業大学 |
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研究代表者 |
田村 誠 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (40309175)
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| 研究分担者 |
大川 俊隆 大阪産業大学, 教養部, 教授 (00185208)
張替 俊夫 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (50309176)
角谷 常子 奈良大学, 文学部, 教授 (00280032)
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| キーワード | 数学史 / 科学史 / 『九章算術』 / 『算数書』 / 中国数学 / 国際情報交換 / 中国:フランス:イギリス |
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| 研究概要 |
(1)『九章算術』の訳注:我々の先行研究課題であった張家山漢簡『算数書』の成果を踏まえ、『九章算術』の訳注を推し進めた。これは本文・劉徽注・李淳風注の全てに対して忠実な訳を与え、注を付けるものである。研究者にとって必要となるものは、計算内容の大意を訳したものではなく、直訳に近いほどの原文にきわめて忠実な解読書であり、本研究会の訳注はこの要求に十分応えるものであると考える。平成20年度は、すでに19年度より開始していた巻一方田章の訳注を完成させ計4編の論文として発表した。さらに、巻二粟米章についてもその読解をほぼ終了させ2編の論文として発表予定である。
(2)「中国古算書研究会」における議論と検証:定例の「中国古算書研究会」において、用語や術語、具体的な算木計算の解明、穀物換算率などについて、『算数書』との比較を行いながら検証した。「中国古算書研究会」は「算数書研究会」を引き継ぐもので、本補助事業者4名と研究協力者6名で構成されている。方田章では円周率の計算、粟米章では「率」概念の解釈に多くの時間が費やされた。ここでの議論の成果は上記の論文において、注として著されている。
(3)海外研究者との交流:4月にChristopher Cullen氏と近畿和算ゼミナールにて、また8月に郭書春氏、Karine Chemla氏らと関孝和三百年祭記念数学史国際会議にて研究交流を行った。21年3月には胡平生氏の来日に際し、本研究費で大阪にお呼びし、学術講演会「最近の中国出土簡牘について」として講演いただいた。近年『算数書』と同時期、ほぼ同内容の文献が見つかったが、その詳しい内容の発表は10年程度先であろうとのことである。これらの文献は『九章算術』の成立年代の特定に極めて重要な意味をもつと思われるだけに残念である。
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