研究概要 |
本課題では, 遺跡から出土する大量の土器片を3次元計測機器で計測し, 計測点群に幾何的処理を施すことで, 土器復元情報を提供する技術を開発する. また, 復元情報を提供する過程で, コンピュータ内に土器片を後元した3次元モデルを生成し, バーチャルリアリティ用の機器を利用して, 生成した3次元モデルに触る感覚を提示するシステムを構築する. 1 大量の土器片の組み立て自動化支援技術開発 : 土器片の輪郭抽出, 輪郭からの角部分検出, 表面解析による文様抽出, 輪郭近傍の接平面推定により得られた情報を用いて土器片間のマッチングと空間姿勢推定を実装した. 本手法により, 土器片の復元自動化を支援することが可能である. マッチングは, 逐次的かつ局所的な情報に基づいているため, 誤差蓄積に関する問題が残されている, この点については, 次年度以降に解決していく. 2 大規模形状モデルの軽量化手法 : 計測により得られた大規模なポリゴンモデルを1台のPCで扱えるサイズに軽量化するために, PCグラスタを利用した領域分割する手法を開発した. 今後は, 開発済みの軽量化手法とリンクし, 領域分割手法の有効性を確認する. 3 仮想組み立てによる土器へのバーチャルタッチングシステム構築 : コンピュータ内に復元した対象物に触る感覚を提示するシステムを構築し, 発掘した遺物を仮想展示するための基盤とする. 力覚提示の処理のうちで, コストの高い衝突検出処理を分散させて, リアルタイム性を維持するアーキテクチャーを構築した. 今後は, 新アーキテクチャーで, スムーズな力覚提示が行えるかどうかを評価する.
|