研究概要 |
本課題では,遺跡から出土する大量の土器片を3次元計測機器で計測し,計測点群に幾何的処理を施すことで,土器復元情報を提供する技術を開発する.また,復元情報を提供する過程で,コンピュータ内に土器片を復元した3次元モデルを生成し,バーチャルリアリティ用の機器を利用して,生成した3次元モデルに触る感覚を提示するシステムを構築する. 1.大量の土器片の組み立て自動化支援技術開発:実際に出土した土器片を計測して,平成20年度に開発したツールに適用したところ,土器片表面の劣化により意図する文様抽出が困難な場合があることが分かった.そこで,文様の凹凸を強調して抽出できるように,抽出法を改良した. 2.大規模形状モデルの軽量化手法:平成20年度に開発した領域分割手法は,大規模ポリゴンを扱うには効率が悪いことが分かったので,データ構造は生かしてできるだけ処理を並列化するようにアルゴリズムを大幅に見直した.また,領域分割後の軽量化とのシームレスな連携を目的として,データの受け渡し方法を検討した. 3.仮想組み立てによる土器へのバーチャルタッチングシステム構築:平成20年度に作成したバーチャルタッチングシステムに対して,計測データに基づいた力覚提示手法を組み込んだ.具体的には,まず,剛体を押す力を圧力センサーで計測して,圧力変化と時間の関係から,指が仮想物体に侵入する侵入量と力の関係を導出した.次に侵入量と力の関係式をタッチングシステムに組み込み,意図する力が提示できているかどうか評価した.
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