研究概要 |
本課題では,遺跡から出土する大量の土器片を3次元計測機器で計測し,計測点群に幾何的処理を施すことで,土器復元情報を提供する技術を開発する.また,復元情報を提供する過程で,コンピュータ内に土器片を復元した3次元モデルを生成し,バーチャルリアリティ用の機器を利用して,生成した3次元モデルに触る感覚を提示するシステムを構築する. 1.大量の土器片の組み立て自動化支援技術開発:従来の手法では,思ったように土器片の文様を抽出することが難しいため,今年度は,ガウシアンフィルタを用いて,模様の凹凸を抽出する手法を用いて,文様抽出を試みた.その結果,従来と比較して文様は抽出することができた.しかし,まだ精度が悪いための,より精度が高まるような拡張が必要である.また,土器片の欠落を補間するための形状モデリング手法を開発中である. 2.大規模形状モデルの軽量化手法:平成21年度に引き続いて,大規模ポリゴンを高速に操作,参照するためのプログラム開発を実施している,今年度の成果は,第26回NICOGRAPH論文コンテストにて発表を実施した.また,領域分割と軽量化のシームレスな連携のためのデータフォーマットにしたがって,データを出力するプログラムを開発中である. 3.仮想組み立てによる土器へのバーチャルタッチングシステム構築:3本指システムを構築している.3本指に対応する3台の力覚提示装置の空間配置をシミュレーションするソフトウェアを開発して,3台の力覚提示装置の配置を決定することを試みている.また,複数の力覚提示装置を協調させ,より大きい力覚を発生させる実験を実施している.これによって,安価な装置により,大きい力を提示することが可能となる.今年度は,2台の装置で実験を行い,IWAIT 2011にてポスター発表を実施した.今後台数を増やして実験を継続する予定である.
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