平成22年3月のタイ北部チェンマイでの大学・専門学校・高校の新規学卒者の現地調査に引き続き、平成23年2月から3月にかけてタイ東北部コンケーンにて、同様の調査を実施した。加えて、コンケンの周辺の1農村(Bang Hi Tang)を選び、住民の学歴、就業歴について悉皆調査を実施した。さらに、人数は限られていたが、大学の卒業生にも、キャリアパスについてインタビュー調査を実施した。新規学卒者の就業先に関しては、専門学校の場合、インターンシップを通じて、バンコク都市圏および東部地域の外資系企業に就職するケースが認められた。また、卒業生のキャリアパスの聞取りから、就職後も大学の土日コースを利用して大学院に進学し、学位を修得し、その後転職するケースが認められた。チェンマイでの調査結果に比べると、コンケーンの場合、バンコク都市圏および東部の工業地帯への新規学卒者の流出は顕著であった。世代間の学歴、就業歴に大きな違いがあることも確認できた。コンケーン周辺の農村には、50歳代男子に海外出稼ぎの経験者が少なくないことが分かった。 ただし、現地調査で収集したデータは現在整理・集計中であり、それらの作業が終了次第、研究成果を学会等にて報告するとともに、学術雑誌を通じて発表する。
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