研究概要 |
平成20年度においては,GWRモデル作成に向けた準備段階の作業,およびデータファイルの作成と電子化(電算機入力)を行い,当初予定の成果をおさめた。 1.GWRモデル作成に向けた準備段階の作業:縦断期間内の時系列断面(1970,1975,1980,1985,1990,1995,2000,2005年)を決定するとともに,モデルにとり入れるべき説明変数の取捨選択と操作上の定義,基準変数との相関の仮説,変数変換の必要性,モデルに組み込むカーネル関数の種類について検討し,乗用車保有率の空間的変動因としては,「所得」と「人口疎密」の主要因に加え「通勤人口の多少」および「女性の社会進出」の副要因を追煎すること,対数線型モデルが適当であること,固定型ではなく適応型カーネル関数が適当であることなどの結果を得た。 2.データファイルの作成と電子化:上記の各年次について,市区町村単位の乗用車保有台数,軽乗用車車両台数,住民基本台帳人口,年間所得金額,世帯数,土地面積,代表地点の経緯度のデータを収集し,これらをもとに,モデル中の基準変数である乗用車保有率,説明変数である世帯所得および人口密度,空間変数である空間座標の各ヂタ集合を加工集計し,エラーチェックのうえパネルデータファイルの主要部分を電子化した。 以上に述べたとおり,平成20年度に実施した研究によって,次年度に実施するモデルの推定計算のための準備が整った。
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