研究概要 |
本研究では,一般の研究者が安心して利用できる新しい都市・地域解析手法を考案し,それを実践するソフトウェアを開発することを目的とする。とくに道路ネットワークデータを活用することに焦点をあてて新しい解析手法を考案し,ソフトウェアを開発・提供していくことを目指している。この目的のため,研究3年目の平成22年度は,前年度と同様に,青山学院大学の岡部篤行教授らに意見を伺いながら,SANETとよばれるソフトウェア開発プロジェクトの中で,本研究の目的を実現させようとしている。その実装には,(株)パスニの佐藤俊明氏らがボランティア協力してくれており,今年度,開発したベータ版のツールを国内外の研究者らに広く宣伝・公開して意見を集めることで問題点を洗い出しているところである。 その中で,実際の分析にあたって注意すべき事柄について,とくに海外からの問い合わせが目立ち,それに関連してまとめたワーキング論文を英文翻訳して個別に紹介することとした。 また,解説ウェブサイトやマニュアルについて,利用者からの意見を踏まえて,大きな改善を加えた。ウェブサイトについては,代表者が客員を勤める東京大学空間情報科学研究センターに全面的協力を得ている。 さらに,海外の研究者との協力関係を得て,そこで蓄積された貴重な歴史的(近世の)地域データをサンプルに,開発したソフトウェアを歴史分野での地域データの分析に適用することで,新しい知見を得ることができないか試みている最中であり,その中間報告を,随時,行っている。
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