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2009 年度 実績報告書

抑制力に焦点を当てた運動修正技能向上のための認知トレーニング開発

研究課題

研究課題/領域番号 20509004
研究機関鹿屋体育大学

研究代表者

中本 浩揮  鹿屋体育大学, 体育学部, 講師 (10423732)

キーワード熟達化 / 知覚-運動制御 / 運動修正 / 反応抑制 / 認知トレーニング / タイミング制御
研究概要

本研究の目的は,優れたスポーツ選手の特徴の一つである「状況の変化に応じて実行中の運動を柔軟に修正できる能力」を向上させる認知トレーニングを開発することである.そのため,本年度の研究においては,熟練者の優れた運動修正技能を支える認知的メカニズムを明らかにするために,運動の再プログラミング過程に焦点を当てて脳活動の測定を脳波により行った.
急激な加速と減速を伴う一致タイミング課題では,野球熟練者は減速状況においてのみ初級者よりも顕著に高いパフォーマンスを示し,この際に右前頭部優位の高い脳波活動を示す.この部位は,反応抑制機能を司る脳領域であることから,熟練者の減速に対する優れた運動修正技能が高い抑制機能によって可能になっていることが昨年度の研究で明らかになった.
そこで,抑制の強さを規定する要因を明らかにするために,今年度は減速前後の脳波成分について分析を行った.その結果,速度変化前のCNV,および,速度変化後のNd400成分が熟練者において顕著に観測された.CNVは,定位や注意を反映する早期CNVと運動準備を反映する後期CNVに分類される.これらの成分の増大は,抑制力を高めると考えられているが(Jonkman, 2006),本研究においては,抑制を反映すると考えられるNd400との関連は見られなかった.これらを踏まえた場合,強い抑制が高いタイミング修正を可能にするが,この抑制の強さは事前の運動準備に誘発されるものではないといえる.一方,Go/Nogo課題ではN200成分は葛藤モニタリングに関わるとされている.本研究においては,N200成分が熟練者において顕著に増大しており,Nd400と高い相関(r=.77)を持っていた.よって,準備された運動と必要とされる運動の差異の大きさが強い抑制を引き起こしている可能性があることが示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 右下前頭回への経頭蓋磁気刺激が速度変化を伴う一致タイミング課題におけるタイミング修正率に与える影響2009

    • 著者名/発表者名
      中本浩揮, 森司朗, 荒武祐二
    • 学会等名
      日本スポーツ心理学会
    • 発表場所
      首都大学東京
    • 年月日
      2009-11-22
  • [学会発表] 速度変化を伴う一致タイミング課題における予期と抑制がタイミング修正に及ぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      中本浩揮, 森司朗, 荒武祐二
    • 学会等名
      日本体育学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2009-08-26
  • [学会発表] Difference in the anticipatory skills and perception-action matching processes between elite and near-elite kendo athletes2009

    • 著者名/発表者名
      中本浩揮, 森司朗
    • 学会等名
      International Society of Sport Psychology
    • 発表場所
      MARRAKESH, MOROCCO
    • 年月日
      2009-06-18
  • [備考]

    • URL

      http://www.nifs-k.ac.jp/property/researchers/syllabary/05/000447.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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