研究課題
基盤研究(C)
シベリアの森林火災には、林床と樹冠が燃えるか枯死する樹冠火と、林床のみが燃える地表火がある。燃焼時の二酸化炭素放出の平均値は、地表火が2.3tC/haであるのに対し、樹冠火は23tC/haであると言われている。しかしながら、これまで観測衛星によりこれらの区別はされなかった。燃焼時の二酸化炭素放出や森林の回復過程を考えると、樹冠火と地表火を区別した解析が求められる。最初に、1kmの解像度で毎日観測する、中分解能撮像分光放射計(MODIS)画像の分光ミクセル解析により、地表火、樹冠火、および他の土地被覆の面積割合を算出するアルゴリズムを構築した。次に、2002年から2010年まで月ごと(毎年5~9月)に、東シベリアのMODIS画像の分光ミクセル解析から土地被覆カテゴリーの面積率の地理的分布を見積もった。その土地被覆カテゴリーの面積率の変化から、この期間の月ごとの地表火および樹冠火の発生の地理的分布、さらには地表火および樹冠火による焼失面積を得た。面積率の見積の検証については、Landsat TM画像により行った。Landsat TM画像は30mの解像度であるが、16日周期の観測のため、雲で地上の反射データが取得されないことを考えると、毎月の火災の解析には利用できない。MODIS画像で得られたシベリア全域の地表火および樹冠火の発生の地理的分布と気象データとを合わせて、本地域の火災の発生と気象状況との関係を解析した。その結果、樹冠火、地表火ともに降水量との正の相関関係があった。特に、降水量が顕著に少ない年には、樹冠火、地表火による焼失面積が顕著に大きかった。
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