研究概要 |
本研究では,地球環境観測データ活用のための相互参照可能な現象アーカイブスシステム実現のために必要な技術の獲得とシステム化を目的とする.本年度は,昨年度の実践を踏まえ,以下について検討を進めた. 1.分散管理されているデータ・資料の連携:国内外の研究機関で分散蓄積されている観測データ・研究資料の公開法として,昨年度までに提案・試作したシステムを改良するとともに一般化を図った.その成果として,3種類の共通プラットフォーム((1)研究資料等のコンテンツ公開のための共通プラットフォーム.(2)Web-DBシステムの一元的な管理・公開を可能とする共通プラットフォーム.(3)実験・観測データを配信するための共通プラットフォーム)を開発し,複数のコンテンツに適用した. 2.国内外に分散している組織間での認証の連携:前項の共通プラットフォームを利用した公開システムをはじめとする各種公開システムの認証機構の共通化を図るための基礎技術獲得を目的として,Shibbolethによるシングルサインオン実証システムの研究開発を行った.さらに,得られた成果を複数の公開システムに適用し,その有用性を実証した. 3.現象の抽象的な特徴の定量化に基づく類似現象検索法の開発:昨年度までに実施した現象の抽象的な特徴量の定量化に基づき,抽象的特徴表現法の評価と類似現象の抽出のための分類指標の検討を行った.分類指標を前年度に研究開発した類似現象検索システムに適用するとともに,抽出アルゴリズムの一般化を図り,多様な観測データに対応できる汎用的なシステムに改良した. 次年度は,実践的評価を実施するために,複数種の観測データを登録し,類似現象検索システムを用いての現象抽出とその目録化,および,共通認証機構を備えた公開システムの実装と公開を行う.
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