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2008 年度 実績報告書

海洋性硝化細菌による温室効果ガスN2Oの生成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20510007
研究機関静岡大学

研究代表者

藤原 健智  静岡大学, 理学部, 教授 (80209121)

キーワード地球温暖化 / 温室効果ガス / 一酸化窒素 / 硝化細菌 / 海洋
研究概要

亜酸化窒素(N_2O)ガスは微量大気成分(310ppbv)の一つであるが、CO_2の150倍もの温室効果をもち、地球温暖化現象への寄与は大きい。大気中に放出されるN_2Oガスの2/3は海洋からのものであり、その総量は年間4TgNにのぼるが、海洋性アンモニア酸化細菌(ammonia-oxidizing bacteria:AOB)が、その主たる放出源と考えられている。AOBによる硝化作用の副生成物としてN_2Oガスが発生することは古くから指摘されているが、その分子的メカニズムはまだ明らかとなっていない。本研究の目的は、海洋性AOBによる、海洋環境におけるN_2O生成の分子機構を解明することである。研究対象とするNS58は、海洋性□・AOBの代表種であるNc.oceaniに極めて近縁である。このNS58を用い、in vivoおよびin vitro N_2O生成反応の分析を行うことにより、海洋からのN_2O放出に関する、微生物生態学と地球化学の両分野を結び付ける重要な情報が得られると期待される。
AOBによるN_2O生成の分子機構として仮定したモデルを評価するため、NS58生菌を用いたin vivo N_2O生成実験を平成20年度に行った。ECD・GCによるN_2Oの定量により、微好気〜嫌気的条件下だけでなく、好気的環境においてもN_2Oの生成が確認された。好気的条件下で生成するN_2Oは、AOBが持っNirk・NorB両酵素による「硝化的脱窒」作用、また微好気〜嫌気的条件で生成するN_2Oは、ヒドロキシルアミン酸化還元酵素HAOによる副反応によるものと考えられる。NS58からHAO、およびその生理的電子受容体であるcytochrome c-554を精製することにすでに成功している。また硝化的脱窒に関与する亜硝酸塩還元酵素NirKについても現在精製を進めている。この結果を踏まえ、精製HAOを用いたin vitro N_2O生成実験を平成21年度に行う。これらの酵素を用い、in vitro N_2O生成実験を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Bacillus polygonumi sp. nov., moderate halophilic non-motile obligate alkaliphile isolated from indigo ball2008

    • 著者名/発表者名
      Aino K, Hirota K, Matsuno T, Naoki Morita N, Nodasaka Y, Fujiwara T, Matsuyama H, Yoshimune K, Yumoto I.
    • 雑誌名

      Int. J. Syt. Evol. Microbiol. 58(1)

      ページ: 120-124

    • 査読あり
  • [学会発表] Ammonia monooxygenase activity of marine gamma-proteobacterium NS58 isolated from anoxic coastal sediment2008

    • 著者名/発表者名
      Arai K, Yoshimatsu K, Fujiwara T.
    • 学会等名
      7th International Symposium for Subsurface Microbiology ISSM2008
    • 発表場所
      Shizuoka
    • 年月日
      20081100
  • [学会発表] 好塩性アーキアの硝酸塩還元酵素オペロンにコードされるRieske型鉄硫黄タンパク質NarBの機能2008

    • 著者名/発表者名
      吉松勝彦, 藤原健智
    • 学会等名
      BMB2008
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2008-12-11
  • [図書] 酵素ハンドブック第3版2008

    • 著者名/発表者名
      藤原健智(共著)
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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