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2008 年度 実績報告書

有機分子が活性化する大気エアロゾル生成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20510018
研究機関高知工業高等専門学校

研究代表者

長門 研吉  高知工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (80237536)

キーワード大気現象 / 地球変動予測 / エアロゾル
研究概要

本研究ではSO_2/H_2O/Air混合ガス中でコロナ放電を行うことによりナノサイズの硫酸微粒子を生成させる。今年度は正極性コロナ放電を用いて、安定な硫酸微粒子を行うための条件を実験的に検討した結果、以下の知見が得られた。
1 H_2O濃度が一定の場合、生成微粒子濃度はSO_2濃度の増加とともに増加した。また、SO_2濃度を一定にすると、H_2O濃度の増加とともに微粒子濃度も増加した。これらの傾向は正極性、負極性ともに同じであった。
2 生成微粒子濃度は測定したすべてのSO_2濃度およびH_2O濃度の条件で、正極性放電の場合が負極性放電の場合より約1桁高かった。
3 正極性放電の場合、生成粒子数の増加とともに帯電粒子の割合は急激に減少したが、負極性放電の場合には帯電粒子の急激な減少は見られなかった。
4 正極性放電によって生成した帯電粒子および無帯電粒子の平均粒径は、負極性放電による粒子よりも大きかった。
以上のような生成微粒子の特性を、イオンの質量スペクトル測定の結果と比較して、イオン反応の観点から考察した。正極性放電で生成した正イオンの質量スペクトル中には硫酸を含むイオンは観測されなかったが、主要な正イオンであるH_3O^+の生成反応はOH生成をともなうことから、正極性放電においてもOHとの反応によりSO_2が酸化されて硫酸が生成していると考えられる。さらに、正極性放電では負極性放電にくらべて生成粒子数が多く、また粒径も大きいことから、正極性放電の方が負極性放電よりも生成する硫酸の濃度が高いと推定された。また帯電粒子の割合が低いことからイオン核生成ではなく均一核生成が主要な微粒子生成機構であることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 放電プラズマによるSO_2からの微粒子生成2009

    • 著者名/発表者名
      長門研吉
    • 学会等名
      日本大気電気学会第80回研究発表会
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2009-01-08
  • [学会発表] 直流コロナ放電によるSO_2からのナノ粒子生成に対する放電極性の影響2008

    • 著者名/発表者名
      長門研吉
    • 学会等名
      第25回エアロゾル科学・技術研究討論会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2008-08-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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