研究概要 |
本年度は,様様な消費活動のうち,食生活着目した。ある消費者の食生活を,個々の食材の組み合わせからなる一つの集合ととらえ,この集合がある方向へ変化するときのLCAの比較分析を最終目的とし,それに先だって本年度は,分析の基礎となるモデル・メニュー(食材の集合)の設定と,その変化の方向を詳細なデータに基づいて予測した。 具体的にはまず,無作為抽出された関東地域194家庭の365日の食卓を記述したデータに基づいて,いろいろな世帯属性を持つ家計が,どんな食生活をしているかを分析した。まず,和洋中のメニュー選択には,時間をどのくらいかけられるか,家族がそろっているか,主婦の年齢層がどのくらいか等の要因が関わっていることがわかった。同データでは,調理エネルギーに関わるデータは得られないので,調理エネルギーの大きさは調理時間に関係し,さらに調理時間は中食の利用率,食材の使用品数,調理方法に依存すると考え,世帯属性と,これらの変数の関係について分析した。その結果,主婦が仕事に従事しているかどうか,小さい子供がいるかどうか,夫が食卓に参加しているかどうか等の要因がこれらに影響を与えていることがわかった。また同データに廃棄物に関する直接的な調査項目はないが,廃棄物への配慮がどのくらいなされているかを見るために,「作り置きや買い置きを利用して献立をたてる」ことにどのような家庭が注意を払っているかを検討した。 上記の考察に基づいて,朝食3メニュー,昼食4メニュー,夕食5メニューの策定を行った。各メニューの構成には現実の和洋中のメニュー構成比,中食(replaced meal)構成比等が考慮されており,現代の「典型」メニューと結論づけることができる。
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