• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

持続可能な消費社会での新ライフスタイルの検討-産業連関的環境家計簿分析の応用-

研究課題

研究課題/領域番号 20510040
研究機関早稲田大学

研究代表者

鷲津 明由  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60222874)

キーワード影響評価手法 / 環境経済 / 環境活動 / 環境と社会 / 計量経済学
研究概要

最初に横浜市の全国消費実態調査・個票データを用いて需要関数を計測し,それをいくつかの環境消費政策のCO2排出削減効果を分析した。その結果,政策に対する消費者の反応行動をきめ細かく分析する必要のあることが明らかになった。
そこでまず,スーパーマーケットの販売データを用いて販売過程におけるCO2誘発量の算定を行うためのデータベースを作成した。結果,食料品購入によるCO2誘発排出量のうち販売プロセスが占める割合は4~37%程度であり,この部分のCO2誘発排出量の削減策を模索することは効果を持つことがわかった。
次に食のライフスタイルによる環境影響を考察するために,代表的食事のメニューによって誘発されるLC-CO2排出量の算定を行い,高齢化,女性の有業化によって生ずると予想される,食生活における消費者の選好の変化から,どの程度の環境影響が発生するかを考察した。結果,メニュー単位など消費者に使い勝手の良いCO2排出量の情報は新たな環境配慮行動を生み出す可能性があり,グリーンコンシューマーの啓発を促進すると考えられた。
次に外食産業サービスのLC-CO2算定を試みた。結果,外食メニュー1食あたりのCO2誘発排出量のうち,食材誘発分は比較的少ないことがわかった。サービスのCO2見える化により消費者にこのような事実を知らせ,サービス本体以外の部分でのCO2排出削減努力を促す工夫が重要であると考えられた。
最後に食材そのものの生産に伴うCO2誘発排出量削減策として,土壌の炭素貯留効果の活用を考え,同効果を分析できる産業連関表を開発した。結果,2005年の日本全体の家計の食料消費が誘発したCO2排出量のうち,炭素貯留によって5.74%を削減できることがわかった。また,炭素貯留分のCO2が排出権市場で売買された場合,米部門では1.7%程度までなら有機農法に伴う人件費の上昇をカバーできるかと試算された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] On the Environmental Impact of Consumer Life Styles -Using A Japanese Environmental Input & #8211 ; Output Table and the Linear Expenditure System Demand Function2010

    • 著者名/発表者名
      WASHIZU, Ayu, NAKANO, Satoshi
    • 雑誌名

      Economic System Research

      巻: Vol.22, No.2 ページ: 181-192

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 環境省費政策のシミュレーション分析:横浜市を事例として2010

    • 著者名/発表者名
      中野諭, 高瀬卓弥, 清水裕之, 鷲津明由
    • 雑誌名

      日本LCA学会誌

      巻: Vol.7, No.1 ページ: 48-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 環境に関するインターネットアンケート調査I-集計結果2010

    • 著者名/発表者名
      平湯直子, 峯嶋宏行, 鷲津明由
    • 雑誌名

      早稲田大学社会科学総合学術院ワーキングペーパー

      巻: No.2010-1 ページ: 1-228

  • [雑誌論文] 食生活(外食・中食、購買行動)に関するネットアンケート調査-集計結果-2010

    • 著者名/発表者名
      平湯直子, 鷲津明由
    • 雑誌名

      早稲田大学社会科学総合学術院ワーキングペーパー

      巻: No.2010-2 ページ: 1-29

  • [雑誌論文] 販売プロセスにおけるCFP評価-食品にともなうライフサイクルCO2排出量算出方法の検討と試算-2010

    • 著者名/発表者名
      平湯直子, 鷲津明由
    • 雑誌名

      早稲田大学社会科学総合学術院ワーキングペーパー

      巻: No.2010-4 ページ: 1-37

  • [雑誌論文] 外食サービス部門におけるCO2の見える化(CFP評価)-外食メニュー(和食・洋食・中華)の消費者選択行動と環境負荷-2010

    • 著者名/発表者名
      平湯直子, 高瀬浩二, 神田誠, 鷲津明由
    • 雑誌名

      早稲田大学社会科学総合学術院ワーキングペーパー

      巻: No.2010-5 ページ: 1-21

  • [学会発表] メニュー選択がもたらす環境負荷と食のライフスタイル2011

    • 著者名/発表者名
      板明果・津田淑江・鷲津明由
    • 学会等名
      第6回日本LCA学会研究発表会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      20110302-20110304
  • [学会発表] 環境省費政策のシミュレーション分析:横浜市を事例として2011

    • 著者名/発表者名
      中野諭,高瀬卓弥,清水裕之,鷲津明由
    • 学会等名
      第6回日本LCA学会研究発表会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      20110302-20110304
  • [学会発表] 有機農法による土壌の炭素貯留効果分析用産業連関表の作成と応用2011

    • 著者名/発表者名
      高瀬浩二, 鷲津明由
    • 学会等名
      第6回日本LCA学会研究発表会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      2011-03-03
  • [学会発表] 外食メニューの選択行動と環境負荷-すかいら-くのモデルメニュー分析に基づいて-2011

    • 著者名/発表者名
      平湯直子・高瀬浩二・神田誠・鷲津明由
    • 学会等名
      第6回日本LCA学会研究発表会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      2011-03-03

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi