研究課題
(1)フィード・イン・タリフ(feed-in tariff)に関するドイツ型と日本型の諸要素を比較した。ドイツ型では、収益性が10%程度であれば、年間1GWを超える導入量が可能である。収益性が10%を超えると、新規設置量は急激に「過熱状態」に陥る危険がある。(2)日本にFITを導入する場合、特恵条件を「付加価値額に対する購入電力使用額の比率が10%以上」とすると、小規模事業所が特恵を受けやすい。自家発電比率が少ない企業に対して特恵を設ける必要ある。(3)住宅用太陽光発電の累積設置容量を、2020年に18.5GW、2030年に32GWにする場合、買取価格60円/kWhで、新設システムから20年間、既設システムから10年間買い取ると、FIT分担金は、1kWhあたり2029年に0.8円/kWhとなる。電力消費量の15%について、電力集中型企業に特恵を実施する場合、FIT分担金は、上記金額よりも2029年には、0.14円/kWh高くなる。(4)原油が1バレル80ドルで年3%値上がりする場合、原油輸入節約額とCO_2排出権価格の購入節約額を合計すると、2020年には、FIT補償額の4割を回収できる。(5)日本国内と海外のシステム価格が乖離している状況を考慮して、産業用・公共用システムをも含めてFITについて、<高買取価格・急速逓減率>型FITと<低買取価格・緩やか逓減率>型FITを比較した。<高買取価格・急速逓減率>型FITでは、逓減率を急速に低下させても、FIT買取補償額の負担が大きい。
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政策科学,特別号「サステイナビリティ学への誘い」.立命館大学政策科学部 17巻
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低炭素社会へ向けての各種経済的手法の短・中・長期的及びポリシーミックス効果の評価(平成21年度・環境省研究助成報告書).第3章所収,代表・佐和隆光.293p.
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