研究課題/領域番号 |
20510044
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
依田 浩敏 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (70220754)
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研究分担者 |
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60227238)
萩島 理 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (60294980)
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キーワード | 環境技術 / 環境政策 / 環境価値 / 環境ラベル |
研究概要 |
近畿大学では、「環境配慮型製品」において、消費者が商品に付加されている環境性能をどのように位置付けているのか、アンケート調査を実施し環境付加価値を定量化した。日本、中国、韓国人回答者の意識の相違を検討するとともに、日本人の回答を基に回帰分析を用いて詳細を分析し、階層分析法をはじめとする各設問の結果と回答者が提示した支払い意思額(WTP)との相関を分析し、環境付加価値に対する追加負担額を求めた。消耗品であるティッシュでは、日本、中国、韓国の結果共に価格志向が強く出ていたものの、デスクにおいては環境性能を重視していた。 また、九州大学においては、前年度に実施した、地球温暖化とヒートアイランド現象の緩和施策に対する支払い意志額についてのコンジョイント分析のデータについて、引き続き解析を行った。解析の主たる着眼点は、1.支払額の提示の手法の違い(支払額を新規の負担金とするか支払い済みの税金の利用とするか)、2.質問形式の違い(ペアワイズ型と選択型)、3.支払額の水準設定の違い,が結果に及ぼす影響を明らかにすることである。この結果として、以下の点が明らかとなった。 1) 直接効用を問う設問より得られた負担金額より、コンジョイント分析の方が高い値となった。特にペアワイズ型はその傾向が顕著である。 2) 支払額の水準を高いレンジで提示した場合にMWTPは高い値となった。市場にて販売される商品のような実態価格がない場合、回答者は初めて目にしたプロファイルの支払額を対象アイテムの価格の相場として無意識的に捉える傾向があるためと考えられる。 3) 支払手段を税金再配分とした場合、金銭負担の実感が薄いため、WTPは大きくなる傾向がある。 以上の結果は、コンジョイントアンケートの質問票の文面の細部やプロファイルデザインにより、アンケート実施者の意図に近い結果を導ける可能性を示唆している。
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