研究課題
基盤研究(C)
我々はRad18が、53BP1と同様に、細胞へのX線照射に反応してDNA二重鎖切断(DNA double-strand break:DSB)部位に集積しフォーカスを形成することを見出した。X線によるRad18のフォーカス形成はG1期細胞においてのみ53BP1依存性であり、さらにRad18と53BP1との結合依存性であった。Rad18は、in vitroで53BP1の1268番目のリジン残基をモノユビキチン化し、さらに、Rad18は53BP1のモノユビキチン化を介して53BP1のフォーカスを安定化させた。53BP1およびRad18は、G0-G1期細胞に発生したDSBの修復を亢進させた。Rad18によるDSB修復の亢進には53BP1とRad18の結合、Rad18による53BP1のモノユビキチン化が必要であった。以上より、G0-G1期細胞においてRad18は、53BP1との結合を介してDSB部位に集積し、その後53BP1をモノユビキチン化することにより53BP1のDSB部位でのクロマチン結合を安定化させ、その結果53BP1によるDSBの修復を亢進させることが示唆された。
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