研究課題/領域番号 |
20510063
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
高田 達之 立命館大学, 薬学部, 教授 (90206756)
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研究分担者 |
野瀬 俊明 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 特任教授 (70183902)
岡本 誉士典 名城大学, 薬学部, 助教 (50512323)
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キーワード | 内分泌撹乱物質 / ES細胞 / 細胞分化 / 生殖細胞遺伝子発現 |
研究概要 |
ES細胞の分化系は非常に環境の影響を受けやすく、鋭敏であるため、逆に再現性に問題があることが明らかとなった。特に環境化学物質存在下において、EB作成時の条件により、Vasaの発現が大きく変動し、そのコントロールが困難であることが明らかとなった。その結果、Vasaをレポーター遺伝子に置き換えたとき、実験間の変動がレポーター遺伝子発現の変化を打ち消してしまう結果が得られる場合が認められた。そこで、再現性のある分化条件を検討した結果、マイクロウェルプレートを使用して均一な大きさのEBを形成させることが重要であることがわかった。 またVasaレポーターでは環境化学物質の影響評価において十分な感度が得られたかったため、リアルタイムPCRにより、Vasa遺伝子より生殖細胞分化過程において変動の大きい関連遺伝子を探した結果、数種の遺伝子を同定することができた。マイクロウェルプレートを使用し、環境化学物質(ビスフェノールA)の存在下でES細胞を分化させた際、これらの遺伝子は再現性良くその発現が変動し、それらはVasa遺伝子よりビスフェノールAに対し、鋭敏に反応した。またこれらの影響は比較的高いビスフェノールA濃度条件において認められた。 すなわちこれまで注目してきたVasa遺伝子よりも反応性の高い遺伝子を見いだすことができたとともに再現性の良いES細胞分化システムの構築を行うことができた。次に、検出感度を上げるため、これらの化学物質高感受性遺伝子のプロモーター配列をPCRで取得し、その制御下で高感度の蛍光タンパク質Venusを発現するベクターの構築を行った。今後当該レポーターのES細胞への導入を行い、高感度で再現性の高い環境化学物質の評価系システムを構築する予定である。
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