研究概要 |
1. ラット肝臓での甲状腺ホルモン応答遺伝子同定 昨年度、cDNAマイクロアレイにより検索して得られた肝臓細胞における甲状腺ホルモン応答候補遺伝子について、発現を確認して最終的な同定をおこなった。すなわち、10週齢雄のF344ラットへ抗甲状腺剤および甲状腺ホルモンを投与し、その肝組織及び下垂体組織からRNAを抽出した。候補遺伝子について、real-time RT-PCRによりmRNA発現の定量をおこなった。新規に同定された応答遺伝子は、phosphoenolpyruvate carboxykinase 1, P2DXK, SLC17, Cyp7A1, iodothyronine type1,同type 2, SPOT3, malic enzyme 1であった。 2. 新規甲状腺ホルモン応答遺伝子のプロモーター解析 上記のphosphoenolpyruvate carboxykinase 1, P2DXK, SLC17, Cyp7A1について、その遺伝子上流域を高精度PCRにより遺伝子クローニングした。0.2~2kbpについてサブクローニングしルシフェラーゼレポーターを構築した。これをラット肝臓細胞株、下垂体細胞株に導入して、甲状腺ホルモンを投与することで、ホルモン応答性の解析をおこなった。P2DXKについては、in vitroでのホルモン応答性転写活性が証明された。この領域にはTRE類似配列が存在しておりホルモン応答性を司っていると考えられた。
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