長鎖パーフルオロアルキル基をもつアクリル酸エステルと、汎用モノマーとのランダム共重合体を用いて、超臨界二酸化炭素中で自己組織化させることによりナノメートルサイズの球状微粒子を得た。共重合体の自己組織化は、超臨界二酸化炭素への溶解度である曇点よりも低い圧力領域で起こった。^1H NMR解析の結果、を測定した結果、この球状粒子はパーフルオロアルキル基を外殻に、汎用モノマーユニットを内核にもつミセル状の球状粒子であることがわかった。このようにして得られた球状粒子をガラス表面に塗布した結果、その表面はいずれも水に対する接触角が164°以上の超撥水性を示した。最も高い接触角は、アミノ基含有の汎用モノマーユニットを2官能性の酸で静電気的に架橋した微粒子で得られ、その値は171.5°であった。キャスト法で塗布した表面は96.5°と低い値を示したことから、パーフルオロアルキル基の撥水性と球状構造の相乗効果によって超溌水性が発現されたことがわかった。さらに、超溌水性を発現させる要件として、共重合体の分子量の制御が必要であることがわかり、環境に配慮した光リビングラジカル重合法の確立も行った。
|