研究課題/領域番号 |
20510077
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川端 弘俊 大阪大学, 工学研究科, 技術専門員 (20379142)
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研究分担者 |
小野 英樹 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30283716)
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キーワード | 都市ゴミ / エネルギー極限利用 / ダイオキシン類生成抑制 / 300℃のデノボ合成 / 水蒸気 / 都市ゴミ予備乾燥・脱水処理 / 浮游C^#削減 / 排ガス急冷水使用抑制 |
研究概要 |
都市ゴミや産業廃棄物などに含有されている資源・エネルギーの高効率利用のためには、環境に配慮したゴミ発電が非常に重要である。この発電はCO_2排出削減にも直結する。これらエネルギーの極限利用には、ゴミ燃焼処理過程ならびに排ガス冷却過程で生成するダイオキシン類や塩素化ベンゼンなどの有害物質の生成および排出抑制が不可欠である。排出抑制対策には多額の経費とエネルギーを必要とするため、有害物質の生成抑制が非常に重用である。 本研究では、それらの有害物質の生成を極力抑制する方法として多孔質耐火物壁内部からN_2ガスあるいは水蒸気を添加する「煙道壁面加圧法による有害物質の生成抑制」を提案し、その基礎実験として、ダイオキシン類生成濃度に及ぼす水蒸気(主な水蒸気源は、食品廃棄物中水分、排ガス急冷用水噴霧)の影響を800℃の高温燃焼実験と多孔質耐火物煙道を模擬した300℃域のデノボ合成実験により調査した。 800℃の高温ゴミ燃焼実験では、水蒸気濃度上昇により浮遊C^#(浮遊C^#とは、ダイオキシン類や塩素化ベンゼンなどの前駆体物質を含有する微粒子である。)が増加し、それに伴いダイオキシン類生成濃度も増加した。燃焼排ガス導入による300℃域のデノポ合成実験では、多孔質耐火物壁内部からのN_2ガス添加により、壁面への浮遊C^#の付着が抑制されダイオキシン類濃度は半減した。一方、壁内部からの水蒸気添加は、高温(300℃域)および耐火物中(SiO_2-Al_2O_3系耐火物)での水蒸気の分解により、ダイオキシン類濃度が水蒸気濃度に比例して急増した。すなわち水蒸気は有害物質の塩素化に触媒的作用を示す。 以上のことから、有害物質生成抑制によるエネルギーの高効率利用のためには、都市ゴミ予備乾燥による脱水処理(熱源は排ガス熱で十分)、高温域(700℃以上)での排ガス中浮遊物質の遠心分離・再燃焼による浮遊C^#削減、排ガス急冷のための水の使用抑制が非常に重要である。
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