バイオマスは再生可能なエネルギー源として社会的ニーズが大きい。これを効率よく利用するためには、水素やメタンなどの低分子ガスへ転換することが重要である。水熱ガス化は水を多く含むバイオマスのガス化法として有望であるが、実用化には触媒による反応温度の低減が必要である。研究代表者は最近、超臨界領域を含む高温高圧水中においても酸化チタンは高い光触媒活性をもつことを見出した。そこで、本研究では酸化チタン等の光触媒を用い、低温でバイオマスの水熱ガス化を行なう手法を開発することを目的とした。研究の前半では、実験技術の確立を行うとともに、単純なモデル反応を用いて光触媒作用の機構解明を行なうことに重点を置き、研究計画の後半では、酸化チタン光触媒と水熱ガス化の複合技術によるグルコースやセルロース等のガス化の研究に着手する。以上の研究を通じて、本技術の実用化へ向けた基礎的知見を集積する。
|