研究概要 |
本年度の研究実施計画に沿って実績概要を示す 1.アスベスト分解処理物中の残留塩素の形態について 残留塩素はCa_2SiO_3Cl_2によるものであることが分かったため、Ca_2SiO_3Cl_2の多結晶体、単結晶を調製した。熱分析により結晶構造の変化温度や分解によりCaCl_2融体の生成温度など特徴を調べた。さらに、ガス流通下でのCa_2SiO_3Cl_2を加熱や加熱時の減圧、水洗浄などを施した後、含有塩素料を測定した。高温長時間のガス流通下加熱により、塩素成分の除去(0.1wt.%以下)が可能であったが、実際のスレート分解物中の塩素成分除去は困難であり、当初の目的である「省エネルギー的アスベスト分解法の構築」から離れた。 2.アスベストの迅速分解法を検討。3、CaCl_2以外のアスベスト分解助剤の検討。 項目2,3について、同時解決を試みた。分解助剤に炭酸塩や硫酸塩を用いて、加熱保持時間が30秒以内であってもアスベスト(試薬)を分解する分解助剤を含めたアスベストの分解反応条件を見いだした。実際の廃棄物アスベストを用いて確認する必要があるが、「省エネルギー的アスベスト分解法の構築」に向けての成果を得た。 本結果により、アスベスト-セメント複合材の廃棄物について、分解処理物のセメント原料への再利用の可能性が広がった。
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